「毎月の奨学金、この金額って普通なのか?」「みんな何年で返し終わるんだ?」
返済が始まると、誰もが一度は気になる疑問だと思う。
先に結論を言うと、奨学金の平均返済額は月1.5万円、平均返済期間は約15年。そして借りた人の44.5%が「返済が苦しい」と答えている。苦しいのはあなただけじゃない。
俺も返済表を初めて見た日、一番下に書かれた完済の年に絶望した。「そこまで払い続けるのか、俺は」と。だから固定費を削って原資を作り、平均15年のところを5年で完済した。
この記事では、奨学金の平均返済額・借入額・返済期間を公的データで示したうえで、俺が5年で返した方法と、今きつい人が使える制度まで解説する。
読み終わる頃には、自分の返済が平均と比べてどうなのかが分かり、完済までの年数を自分で縮める道筋が見えるはずだ。平均を知ることと、平均に従うことは別の話。まずは数字から。
奨学金の平均返済額は月1.5万円

労福協の調査によると、奨学金の平均返済額は月1.5万円。大卒初任給は約25万円(厚労省・令和6年調査)、手取りにすると約20万円。そこから毎月1.5万が消えていく。
割合にすれば手取りの7〜8%。数字にすると小さく見えるけど、社会人1年目の1.5万は結構痛い。
借入額の平均は310万円
ちなみに、借入額の平均は310万円。
奨学金返済のリアル(平均値)
借入総額
310万円
毎月の返済額
1.5万円
返済期間
14.5年
出典:労働者福祉中央協議会「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」(2022年9月)
人によるけど、月6万前後を4年間借りていた計算になる。これは俺の体感とも一致する。まわりの大学生も基本は月5万で借りていた。俺自身も月5万×4年、元本240万だった。
借入額別の返済額早見表
借入額別の返済早見表がこちら。自分の行を探してみてほしい。
| 借入総額 | 返還月額 | 返還年数 |
|---|---|---|
| 120万円 (月2.5万×4年) |
約8,300円 | 12年 |
| 240万円 (月5万×4年) |
約13,300円 | 15年 |
| 310万円 (平均) |
約14,400円 | 18年 |
| 384万円 (月8万×4年) |
約16,000円 | 20年 |
| 480万円 (月10万×4年) |
約20,000円 | 20年 |
JASSO「奨学金返還年数算出表」より算出(元金ベース・月賦返還)。第二種は利子分が月額に上乗せされる。労福協調査の平均14.5年は繰上返済等を含む実態値のため、機械的な計算年数より短くなる
見てほしいのは、この月額を自分で決めた覚えがないという事実。JASSOの返済額は、20年の期間内で借りた総額に応じて機械的に決まる。自分の意思で動かせるのは、生活が苦しくて減額を申請するか、余裕を作って繰り上げるかの2択しかない。
44.5%が「返済が苦しい」
同じ調査で、返済が「苦しい」と答えた人は44.5%。借りた人の半数近くが苦しんでいる。
Q. 奨学金の返済は苦しいですか?(回答者全体を100%とした内訳)
左の2色を合わせた44.5%が「苦しい」
少し苦しい 23.7%
苦しくない 55.5%
出典:労働者福祉中央協議会「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」(2022年9月)。「かなり苦しい」の比率は過去調査から上昇
注目してほしいのは内訳。「苦しい」全体の割合は3回の調査でほぼ横ばいなのに、「かなり苦しい」だけが増え続けている。
「かなり苦しい」と答えた人の割合の推移
7年間で12.0%→20.8%、約1.7倍に増加
12.0%
13.7%
20.8%
出典:労働者福祉中央協議会の各年調査。「苦しい」計は41.4%→43.9%→44.5%とほぼ横ばい
苦しい人の数が増えたというより、苦しさの深さが増している。物価は上がるのに給料が追いつかない。そういう世の中で返す借金だということ。
苦しいと感じているなら、それは甘えじゃなくて多数派。まずそこを覚えておいてほしい。
奨学金の平均返済期間は15年

次は期間の話。奨学金返済の平均期間は14.5年、ざっくり15年。ここからが本題になる。
平均通りだと完済は37歳
大学を22歳で卒業したとすると、完済はおよそ37歳。40手前まで返済が終わらない。
22歳で卒業した人の20代・30代(平均通りに返した場合)
バー全体=返済を続ける約15年間
返済開始
37歳
完済
この期間に重なってくるもの → 結婚・出産・車・住宅ローンの頭金
22歳卒業・平均14.5年返済で試算
車のローン、住宅ローン、結婚、子育て。人生の大きな出費が重なる時期に、学生時代の借金がまだ残っている。日本人は大学入学とともに借金を背負い、それがずっと続いていく。
人生で借金がないのが18歳までと完済後だけって考えると、冷静にやばくないか?
何年で返すかは自分で決められる
で、ここが分かれ目。月の返済額は決められない。だけど、返済期間は自分で動かせる。
繰り上げ返済はいくらでも、何回でもできる。しかも手数料は無料。住宅ローンだと繰り上げに手数料がかかる商品もあるのに、奨学金はゼロ。そこを考えなくていいのはマジで楽。
15年という数字は「何もしなかった場合」の期間でしかない。縮めるのは自由だ。
俺は15年に絶望して5年で返した
俺はこの15年に絶望して、早期返済することを決めた。
ムリムリ。マジでこんなに長いなんてムリ。人生の大半を借金まみれで過ごすことなんてムリよ。てか、やりたくないだろ。
借金を残したまま投資でレバレッジをかける戦略もある。でも、それができたら苦労しない。
完済までにかかった年数の比較
バーの長さ=返済を続けた年数
15年
5年(約600万を完済)
特別な収入があったわけじゃない。やったのは固定費削減と貯蓄だけ
だから俺は、固定費を削って、ボーナスを貯めて、5年で返した。次の章でその方法を書く。
奨学金を5年で完済した方法

俺と妻は2人とも奨学金を借りていた。俺は月5万×4年で240万。妻は第一種と第二種の併用。夫婦合わせて約600万の奨学金を背負ったスタートだった。それを5年で返し終えた。
詳細は完済記事に書いてあるので、ここでは要点だけ。
月々の返済額は増やさなかった
俺は何度も繰り上げ返済をしなかった。一括で返せる額が貯まるまで待った。
正直に言うと、貯まるまで待ったというより、怖くて返せなかっただけ。ただ結果的に、これが正解だった。毎月決まった収入と決まった引き落としだけなら、精神的に楽。そして手元に現金が積み上がっていく。
返済額の増額より、まず原資づくり。何度も繰り上げの手続きをするより、一撃で終わらせる弾を貯める方が、手間も心も軽い。
固定費を月6.2万削った
原資づくりの中身は固定費削減。車、スマホ、保険。できるところから下げていった。
何をいくら削ったか(毎月の削減額)
バーの長さ=削減額。合計62,000円/月
50,000円
6,500円
5,500円
年間にすると74万円。一度削れば効果はずっと続く
詳しい削り方は下の記事にまとめてある。スマホ代だけでも年7万変わる。
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そして最後は、残っていた分を全額一括で返した。まず俺の分をボーナスで返して、翌月に妻の分。2ヶ月で家の借金がゼロになった。
きっかけはカッコいいものじゃない。引き落とし口座(リレー口座)をUFJ→楽天→UFJに戻そうとしたら、UFJは紙での申請が必要だった。それがマジで面倒になって、いっそのこと全部返した。それだけ。ちなみにその時の資産は1,500万だった。資産が貯まったから満を持して、とかではない。笑
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奨学金がきつい時の3つの対処法

ここからは、今きつい人向けの話。返済が免除されるわけじゃないけど、返す意思があるなら使える制度がある。無理して延滞するくらいなら、頼るのはあり。
減額返還制度で月1/2〜1/4に
毎月の返済額を2分の1、3分の2、3分の1、4分の1のどれかに減らせる制度。2024年4月から選択肢が4つに拡充された。減らした分だけ期間は延びるけど、利子は増えない。
今の返済が月15,000円の人なら、ここまで減らせる
15,000円 → 4つの減額幅から自分で選ぶ
3分の2に減額
月1万円
2分の1に減額
月7,500円
3分の1に減額
月5,000円
4分の1に減額
月3,750円
減らした分だけ返済期間は延長。総額は減らない(JASSO・2024年4月拡充)
収入の目安は、給与所得者で年収400万円以下(扶養する子が2人なら500万、3人以上なら600万まで)。1回の申請で12ヶ月、通算15年まで使える。
注意点は2つ。この制度はリレー口座(口座振替)加入者しか使えないこと。そして、適用中に2回連続で引き落としに失敗すると、遡って適用が取り消され、延滞金つきで請求されること。口座残高の管理だけは徹底してほしい。
重要なのは延滞「前」に申請すること。延滞中は申請できず、延滞を解消しないと願い出られない。「毎月無理して返す」より「ペースを落としても返済を止めない」。ここだけは絶対に覚えておいてほしい。
返還期限猶予は最長10年
返済そのものを待ってもらう制度もある。返還期限猶予は通算で最長10年。猶予期間中は利子も延滞金も増えない。
ただし、総額は1円も減らない。先送りにするだけ。仮に10年フルで使えば、完済は50手前までずれ込む。使うなら「立て直すための時間稼ぎ」と割り切ること。
借金で返すのはNG
最後に、絶対にやってはいけないのがこれ。借金で借金を返すこと。
借金の返済難易度は金利で決まる。金利は低ければ低いほどいい。そして奨学金の金利は、数ある借金の中でも最低クラス。まさに「四天王の中でも最弱」だ。
同じ100万円を借りたときの金利(年率)
バーの長さ=金利の高さ。カードローンは奨学金の約6倍
最大3.0%
15〜18%
出典:JASSO「貸与利率の推移」。第二種の利率上限は年3.0%、利率固定方式は2.922%(2026年6月貸与終了者)。カードローンは一般的な上限金利水準
ただ、その最弱にも異変が起きている。JASSOの公表利率を見ると、利率固定方式は2021年度には0.2%台だったのが、2026年6月貸与終了者では2.922%。上限3.0%の目前まで上がった。最弱ですらこれだけ上がっている時代に、15〜18%のカードローンで借り換えるのは論外。金利が違いすぎる。
きついなら、借金じゃなくて制度と固定費削減。順番を間違えないでほしい。
平均に合わせる義務はない

奨学金の平均返済額は月1.5万円、平均期間は15年。そして半数近くが苦しんでいる。これがデータの示す現実だ。
でも、平均はただの結果であって、従うべきルールじゃない。月額は変えられなくても、完済までの年数は自分で決められる。俺は15年に絶望して、5年で終わらせた。
あなたの返済表の一番下に書いてある年は、書き換えられる。



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