新社会人のとき、よくわからんまま会社で保険に入らされた。「みんな入るものですよ」の一言で、中身も知らん保険に月2,000円。あれの正体は、だいたい医療保険。毎月引かれてるのは知ってるけど、中身は見たことない。俺もずっとそうだった。尿管結石で手術するまでは。
俺は奨学金600万円を夫婦で返済してる真っ最中に、その手術を食らった。医療費の総額は約30万円。だけど実際に俺の財布から出ていったのは2.5万円だけ。保険のおかげじゃない。日本の健康保険制度のおかげ。
この記事では、手術を経験した俺が医療保険を解約した理由と、30万円が2.5万円になるカラクリ、そして浮いた保険料の使い道まで全部書く。
読み終わる頃には、毎月なんとなく払ってる月2,000円が「削れる固定費」に見えてくる。
結論、会社員に医療保険はいらない。手術した俺が言うんだから間違いない。
医療保険は「いらない」と手術で確信

度重なる休日労働と暴飲暴食の結果、俺は25歳で尿管結石を発生させるハメになった。んで、27歳にもう一回。20代にして2回も尿管結石を体験したことになる。2回目は結石を砕く手術になった。その病院のベッドの上で、俺は医療保険の解約を決めた。
医療費30万円が実質2.5万円
日本の健康保険制度は神制度。手術が終わって、窓口での支払いは健康保険を使って10万円。その後、健康保険組合の付加給付で、1泊2日の入院で実質負担額は2.5万円だった。これが「成功した社会主義国家『日本』」。特別な手続きは何もしていないのに実質2.5万円で医療を受けられたことになる。
給付金プラスでも60歳まで払えば84万円
当時俺は医療保険を契約していたのでもちろん、保険金を請求した。入院1日5,000円で2日分の1万円、手術で日額10倍の5万円。全部で6万円をもらえたわけだけど、冷静に損得で考えてみた。月2,000円を60歳まで払えば84万円。1回の手術で6万円もらえるとしても、手術14回しなければ元がとれない。これを暇な病院のベッドで計算して唖然としたわけよ。
払う保険料 vs もらえた給付金
60歳までに払う保険料(月2,000円×35年)
手術1回でもらえた給付金
※元を取るには手術14回が必要(84万円÷6万円)。
損とわかったら即解約でいい
というわけで俺は保険金を請求したあとにすぐ解約した。驚くほど早く解約できたのでびっくり。もっと引き止められるかと思ったけど、全然引き止められなかったな。保険は不安で持ち続けるものじゃなく、数字で判断するものだ。
医療保険なしで30万円が2.5万円になったカラクリ

医療保険に入らない方がいい理由は、日本の医療費制度が充実しすぎているから。民間の医療保険がなくても、30万円が2.5万円になった。
医療費30万円が実質2.5万円になるまで
医療費の総額
↓ 健康保険(3割負担)
窓口での支払い
↓ 高額療養費制度(国の制度・誰でも使える)
自己負担の上限
↓ 付加給付(会社の健保組合の制度)
実質負担
※筆者の尿管結石手術(1泊2日)の実例。差額7.5万円は約4ヶ月後に還付。
高額療養費で30万円が9万円弱に
そもそも尿管結石の粉砕手術は15〜40万円程度かかるとされている。俺の場合は総額30万円。3割負担で窓口10万円。そこから高額療養費制度を使って、月の自己負担の上限である9万円弱まで下がる。これは日本の健康保険料を払っていればだれでも使える。俺の健保組合は申請すらいらず、勝手に計算して振り込んでくれた。他国から医療ツアーが組まれるのもわかる。
| 年収の目安 | 自己負担の上限額 |
|---|---|
| 約1,160万円〜 | 25.2万円+(医療費−84.2万円)×1% |
| 約770万〜1,160万円 | 16.7万円+(医療費−55.8万円)×1% |
| 約370万〜770万円 | 8万100円+(医療費−26.7万円)×1% |
| 〜約370万円 | 5万7,600円 |
| 住民税非課税 | 3万5,400円 |
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに作成。2026年8月から上限額が段階的に引き上げられる改正が予定されているが、それでも「月の負担に上限がある」構造は変わらない。最新額は厚労省サイトで確認を。
付加給付で9万円が2.5万円に
で、こっから俺は会社の健保組合の制度を使って2.5万円になった。これは俺の会社の制度で、どれだけ病院に行っても月の負担が2.5万円になるようにしてくれる。つまり、今回の手術で差額の7.5万円が口座に振り込まれたわけ。
ただ、気をつけてほしいけど、これは自分が所属している健保組合による。大企業の組合だと付加給付の制度はあるんだけど、中小企業が入る協会けんぽには付加給付の制度がない。そうなると準備する金額は変わる。
だけど、それでも入院用に月10万円もあればOKってことになる。
働けない期間は傷病手当金が出る
ちなみに今回は俺は1泊2日だったんだけど、長期で入院したらどうなるの?となるだろう。会社員なら最長1年半、給料の3分の2の傷病手当金が出る。素直に頼ろう。最近は病院も入院させてくれない。現在の入院の平均日数は、厚生労働省の「令和5年 患者調査」によると29.3日(病院の退院患者)。しかもこれは高齢者の長期入院が押し上げている。現役世代が1年半以上の長期入院になることは極めて稀。しかも起こったとしても国から金が出る。そこに保険っているんか?
これだけ毎月社会保険料という保険を払っているのに民間保険に余計な保険料を払うなんて、みんな金持ちだなと思う。
長期化しても多数回該当で上限が下がる
ちなみに、「多数回該当」という制度がある。直近12ヶ月で3回上限に達したら4回目から約4.4万円に下がるという制度だ。「長引いたらお金が困る」リスクは国が既に対策済み。社会保険料を払ってるんだからもちろんこういう制度があることは理解して生活設計してるよな?
それに、長期入院を恐れる人ほど見落としてるけど、入院したら確実に支出は下がるからね。病院食なら外食よりも格段に安いし、娯楽もNetflixやテレビをみるしかない。通販だって届かない。高いホテルもディズニーランドにも行けない。せいぜい本を読むだけ。
みんな出ていくお金だけ気にして、減る支出に目をむけないんだから。
医療保険がいらない条件は、貯金がすべて

医療保険を解約するには、順番がある。この条件さえ揃えば、あとは書類1枚。
医療保険の代わりは貯金10万円から始まる
医療保険の代わりは貯金から始まる。実際に俺が手術で窓口で払ったのは10万円だけ。入院の平均日数を29日とするなら、月またがりで最大でも20万円必要なだけ。
数字で見れば何も怖くないよな。貯金ゼロなら、保険に入るより先にまず10万円。ボーナスや日々の固定費を浮かせて確保しよう。
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自営業は防衛資金を厚めに
とはいえ傷病手当金は会社員の制度。自営業やフリーランスには出ない。
だからといって民間医療保険で埋める必要はない。毎月の保険料を払う側じゃなく、貯める側に回ればいいだけ。目安は会社員より厚めの、生活費1〜2年分。
がんでも月の上限は変わらない
がん保険に払う vs 同じ金額を積み立てる(30歳→50歳の20年)
がん保険料の総額(月4,030円×20年)
同額を年5%で積み立てた場合
※アフラック公式の30歳男性・月払4,030円で試算。積立は年5%の過去実績ベースの想定であり、将来を保証するものではない。
「でも、がんになったら話は別だろ?」と思うかもしれない。結論は同じだ。医療費がいくら膨らんでも、高額療養費の月の上限は変わらない。がん家系だからという理由でがん保険に入っている人も多いが、必要なのは保険じゃなくて、上限額を払える貯金。30歳男性の公式例: 月払4,030円(アフラック)。
とすると約10年払うと診断給付金の50万円を払込額が超えることになる。仮に罹患が増え始める50歳まで払うとすると、30歳からの20年で4,030円×12ヶ月×20年=約97万円を保険会社に払ってることになる。それならこの分貯金なり投資しといたほうがよくない?
ちなみに、この分を年5%で20年積み立てたなら約165万円になってんで。まぁ治療費全額をオルカンにいれとくのはオススメはしないけどね笑。生活防衛資金は現金、それを超えた分だけ投資。この順番だけ守ればいい。
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そもそも、新たに診断されるがんの約7割(男性76.3%・女性67.1%)は65歳以上。若いうちからがん保険で備えるより、高額療養費の上限を払える貯金を作るほうが先。
医療保険の解約タイミングと浮いた金の使い方

というわけで、ここまで医療保険は必要ないという話をしてきたんだけど、じゃあその分パーっと使おうぜ!とはならない。浮いた金には行き先まで決めてやる必要がある。
付加給付は還付まで4ヶ月
付加給付は還付されるまで3、4ヶ月かかる。だから解約の唯一の条件は、立て替え分を待てる生活防衛資金。確保してから解約しよう。
ただ、解約すれば月2,000円が浮いて貯金は加速する。10万円なんてすぐ貯まる。
付加給付がある人は大企業や公務員の人が多いと思うから、ボーナスを1回貯金すれば条件クリア。次のボーナスが入ったら、そのまま解約しよう。
会社の保険をやめても村八分にならん
新入社員のときによくわからず入れられた保険。これマジでちゃんと見直しとこう。よくわからないがん保険や医療保険に入ってる可能性がある。そりゃ20歳そこらの数日前まで学生だったやつに保険なんてわからんよな。「みんな入ってる」って言われるし。
ただ、俺は医療保険をやめても凪だったよ。何も言われなかった。気まずいのは書類を請求する一言と提出するときの合計3分だけ。
あとは仕事がきちんとできてれば何も言われないから大丈夫。
営業は「決めたので」で終わる
保険会社は引き止めてくると思う。
「家族が路頭に迷ってもいいんですか?」
「契約者さんが解約したすぐ後にがんが判明して…」
コレ数字で考えられてないのは分かる?日本国が保障してくれる高額療養費制度があれば怖いものはない。
で、解約するのに理由はいらない。よく「理由はなんですか?」とか聞かれると思うんだけど、ゴミを持っとく必要はあるか?ゴミ箱に捨てるだろ?
一緒だよ。いらないと自分が思うから解約するんだよ。必要な理由は営業マンであるお前が説明しろよな。
月2,000円は繰り上げ返済に回そう
浮いた月額は奨学金の繰り上げ返済にまわそう。病気と診断されたとしても、奨学金の返済義務がなくなるわけじゃない。
入院中は治療に専念したいはず。奨学金返済なんていう理由で心配の種を増やさないためにも繰り上げ返済を俺はオススメする。
医療保険はいらない、数字で判断しよう

医療保険はいらない。これは理屈じゃなくて、手術した俺の実体験。
医療費30万円の手術をしても、高額療養費と付加給付で実質負担は2.5万円。働けなくなっても傷病手当金が給料の3分の2を最長1年半支えてくれる。毎月払ってる社会保険料は、もう十分すぎる保険。
その上さらに月2,000円。60歳まで払えば84万円。手術14回分。俺は病院のベッドで電卓を叩いて、退院してすぐ解約した。何も起きなかった。
やることは3つだけ。
医療保険を卒業する3ステップ
この順番さえ守れば、失敗しようがない。保険は不安で入るものじゃない。数字で判断するものだ。
俺たち夫婦が奨学金600万円を5年で完済できたのは、こういう固定費を1個ずつ潰してきたから。
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