【反面教師】奨学金を給料だと思った大学生の末路

奨学金返済

奨学金が振り込まれた日のことを覚えているだろうか。通帳の数字を見て、「自分の金だ」と錯覚したことはないだろうか。俺はした。妻もした。

夫婦で借りた奨学金は合計700万円。卒業時に手元へいくら残っていたかというと0円。いや、借りた金だからマイナス700万。今思い返すとアホ。タイムマシンがあるなら、当時の俺をぶん殴ってでも浪費を止める。

📊 大学生の貯金、リアルな数字

平均貯金額
約53万円

中央値(リアルな実態)
約20万円

平均と中央値の差=一部の貯金勢が数字を吊り上げている証拠。多数派はそんなに貯めていない。

俺(参考)
−700万円

↑ 貯金どころか借金。スタートラインがマイナス。

大学生の貯金は、平均こそ約53万円ある。でもこの数字は一部の高貯金勢が吊り上げてるだけだ。中央値は約20万円。さらに貯金ゼロが1割もいる。俺はそのもっと下、マイナス700万スタートだった。

今まさに奨学金を借りている学生、これから借りる高校生は、俺の二の舞にならないよう警告として読んでほしい。いま返済中の同志は、「うちより上がいた」と安心して読んでくれていい。

奨学金は夫婦で700万円

俺は当時、月5万円ほどを借りていた。4年で240万。返済総額は利子こみで約300万円。

よくこんな額を使い込んだもんだ。当時の家計はざっくり、奨学金5万、バイト5万、仕送り5万(学費は別)。月15万が手元にあった。

当時の認識は「毎月のお小遣い」

大学生当時の俺は

「お、なんか口座にお金あるやん。つこたろ!」

みたいな認識だった。

「ま、返せばいいんだよねー」
「金利低いらしい(わかってない)から大丈夫やろ」

と本気で思っていた。

そもそも俺は、手元にある金を残すという発想がない人間だった。小学校の修学旅行でも、お小遣いをどう使えばちょうど0円まで使い切れるかを真剣に考えていた。残して帰るなんてもったいない。そういう子どもだった。

その性分のまま、月5万の奨学金が振り込まれる大学生になった。結果は言うまでもない。

俺の奨学金は全額劇団四季

俺の大学時代、最大の浪費は劇団四季だ。

もともと小さい頃から年に数回は観に行っていた。それが大学1年で観た美女と野獣で、完全にスイッチが入る。

大学生なら大学生なりに、C席あたりの安い席で観ればいい。でも当時の俺は「S席以外は席じゃない」と本気で思っていた。しかも狙うは最前列。演者が一番近い一列目だ。予約開始日には、電話2台とネットを2時間駆使して席を取る。チケット1枚に、その熱量である。

問題は、俺がこれを1枚では済まさなかったことだ。

彼女の分も払って月5万円、満額一致

ちなみに劇団四季は、当時の彼女(今の妻)と行くことが多かった。当然、彼女の分も俺が払う。要はおごりだ。

1回行けば、チケットは2枚で2万円。多いときは2ヶ月で5回通っていた。計10万円。月にならせば5万円だ。

🎭 奨学金、満額一致の地獄

🏦
毎月の奨学金
5万円
=
🎟️
劇団四季(2人分)
5万円

観劇に全額消える(月5万)
さらに交通費・食事代でマイナス

借金で観劇して、なお赤字。収支は完全に崩壊していた。

俺の奨学金は、月5万円。

満額一致である。振り込まれた奨学金が、そのまま劇団四季に吸い込まれていた。しかもこれにプラスして交通費も食事代もかかる。借金で観劇して、なお赤字。予算なんて概念は最初から無かった。

どれくらい重症だったか。就活の説明会が東京であったときの話だ。俺は説明会の後に観劇を予定していた。なのに直前で説明会だけキャンセルし、観劇のためだけに東京へ行った。就活より四季。そういう男だった。

当時はとにかく楽しかった。あんなにハマった趣味は後にも先にもない。それは本当だ。

奨学金はサークルにも消えた

劇団四季以外の金食い虫がサークルだ。

俺のサークルは割と真面目で、飲み会は少なかった。問題は物品だ。単純に金のかかる種目で、遠征もバス移動。月1万以上は確実に飛んでいく。

しかも大人数のサークルには、活動費を払わない奴が必ず出てくる。払わないゴミが。バスの手配担当になると、そいつの分まで立て替える羽目になる。そして回収できない。俺が被ったまま終わる。

サークル自体は最高だった。今も続く友達もできた。いい思い出だ。ただ金銭面は完全にコントロールを失っていた。初めての一人暮らしで浮かれていた、では片付けられないレベルで。

妻の奨学金は義母のランチ代

ちなみに妻の奨学金はどうなったか。義母の服とランチ代に消えていったらしい。他人の家の金の使い方に口は出したくない。出したくないが、ヤバすぎる。

妻は第一種と第二種の両方を借りていた。途中で妻自身が気づいて、第二種だけは止めたという。「いらないと思って」。ありがてぇ。本当にありがてぇ。それでも残った借入は4年で約400万円。実家住みでこの額である。止めていなかったらと思うと寒気がする。

当時はノータッチ、結婚して他人事じゃなくなった

当時の俺は他人の家のことだから、何も言わなかった。言えるわけがない。

ただ結婚するとなると話が変わる。家族の誰かの金銭感覚が緩いと、その尻拭いは巡り巡って自分の財布に来る。他人の金だと思うから雑に使う。その雑さのツケを、いつか家族の誰かが払う。俺はそれを、義母の奨学金の使われ方で学んだ。

奨学金が尽きてクレカ停止

陰口はこの辺にして、俺の結末だ。

ある日、引き落としができなくなった。そして電話が鳴った。俺にではない。親にだ。「引き落としができません。今後も続くようならブラックリスト入りします」。そういう内容だったらしい。らしい、というのは、俺はその電話を受けてすらいないからだ。

第一報は母からの怒り電話

カード停止の事実を、俺はカード会社からではなく、母の怒りで知った。

俺のクレカは契約者が親だった。だから延滞の連絡は本人を素通りして親に直行する。母はバチクソに怒っていた。「今後カード作れなくなるよ!」。当時はただへこんだ。

ただ、今は思う。18歳でクレカを持ったのも初めて。誰も使い方を教えてくれなかった。じゃあ教えてほしかったわ、と。

奨学金が教えてくれたのは「知らない奴が損する」

でも、ここで学んだことがある。

  • クレジットカードは後払い=借金
  • 大切なことは、誰も教えてくれない

特に2つ目が響いた。「義務教育で教えてほしかった」と言う人は多い。でも、そういう人に限って授業中に寝ている。情報を取りに行かなかった結果を、教育のせいにしているだけだ。

この世界は、知らない自分が悪い。知らなければ損し、知っていれば得する。ふるさと納税もNISAも同じ構造だ。だから俺は、大人になった今も勉強している。奨学金で700万溶かした男が言うんだから、間違いない。

それでも奨学金に後悔はない

奨学金を使ったこと自体に、後悔はない。

ただ時を経て思う。あの時もっと、生きた金の使い方をしておけばよかった。だから今は、金の使い方に異常なほど気をつけている。何が自分にとって満足度が高いのか、毎回考えてから使う。

その結果たどり着いたのが、劇団四季と映画だ。今は年2回ほど。あれだけ狂っていた趣味が、ちょうどいい距離に落ち着いた。

貢いだ彼女が今の妻

大学時代、チケット代を全部出していた相手。その彼女が、今の妻。

俺の趣味に付き合ってもらっている以上、俺が出すのが筋だと思っていた。…まあ、奢ってくれるから結婚した、というのもあるとかないとか。

奢るべきか否か論争に、俺なりの答えを出しておく。好きなら奢る。それだけだ。見返りを計算しはじめた時点で、たぶんその相手とは結婚できない。

唯一の戦利品が結婚相手

300万返した奨学金で、唯一手に入れたもの。それが妻だ。

妻は今、俺と同じくらい稼いでくれている。妻がいるから奨学金を早く返せたし、投資もできている。とんでもなく良い投資回収。

こう考えると、奨学金を元手にしたレバレッジ投資は成功だったのかもしれない。

とはいえ再現性はゼロ。読者の皆さんには、絶対に真似しないことをおすすめする。

※貯金額データ:大学生の平均貯金額 約53万円・中央値 約20万円(タウンワーク調べ)、貯金ゼロの割合 約1割(リクルート「就職ジャーナル」調査)。

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