新卒に生命保険や医療保険はいらない。ただ、右も左もわからないときに「じゃあこれ書いといて」と先輩や上司に言われるがまま書いた生命保険、残ってないだろうか。
それ、使ってないサブスクと同じ。解約しない限り、一生払い続けることになる。しかも毎月同じ日に、同じ額が、黙って引き落とされる。
その状態で奨学金を返すの、大変じゃない?今、我が家は夫婦で月4,200円。奨学金を返してる5年間、生命保険の見直しはしていなかった。やっていれば、返済期間はもっと短くできたと思う。
この記事では、奨学金返済中の独身にも家族持ちにも効く生命保険の入り方を書く。大手の保険会社が書けないことも書くので、最後まで見ていってほしい。
生命保険がいらない人の条件

必要なのは掛け捨ての収入保障、1本だけ。
大学を卒業したほとんどの人は、生命保険がいらない。
理由は残す人がいないから。生命保険は、自分が死んだら生活に困る人がいる場合にかけるもの。新卒で一家を支えている人以外は、要らない。奨学金を返している読者の多くを占めるであろう、一人暮らしの新卒社会人。ここは生命保険ゼロでいい。
共働きで収入差が小さい家庭も、片方が欠けても家計が回る。貯蓄で当面の生活費をまかなえるなら、なおさら要らない。住宅ローンがある人も、団信でローンは消える。ローンのために生命保険を足す必要はない。
子が小さいと生活が詰む
生命保険が必要なのは、子どもが小さい家庭だけ。
なぜなら、子どもが小さいうちに片方が亡くなると、残された方が1人で育てることになるから。働きながら小さい子を見るのは物理的にきつい。生活が回らなくなる可能性が一気に上がる。
しかもその必要額は、子どもが育つほど減っていく。一生同じ額の保障を持ち続ける理由はどこにもない。そして必要な人でも、要るのは掛け捨て1本だけ。ここから先はその話をする。
正しい生命保険の入り方

生命保険は考える順番が大事。
理由は単純で、もう払い終わってるものから数えた方が得だから。
遺族年金は社会保険料としてすでに引かれてる。会社の保障も同じで、働いてる時点でもう乗ってる。どっちも今から追加で払う金はゼロ。これを先に足しておかないと、本当は要らない保障に入ることになる。
俺は新卒のとき、この順番を全部飛ばした。何も分からなかったから、周りの人がどうしてるかを聞いて決めた。全員入ってた。だから入った。俺だけ違うのが嫌だった。遺族年金がいくら出るかも、会社から何が出るかも、調べないまま判子を押した。
マジで後悔してる。だからこの順番だけは忘れないでほしい。
1番目:遺族年金
会社員が亡くなると、遺された家族に遺族年金が出る。
我が家の場合、月14.5万円。
| 年収 | 子1人 | 子2人 |
|---|---|---|
| 300万 | 11.7万 | 13.7万 |
| 400万 | 12.5万 | 14.5万 |
| 500万 | 13.4万 | 15.4万 |
| 600万 | 14.2万 | 16.3万 |
| 700万 | 15.1万 | 17.1万 |
給料でいえば額面20万円弱に相当する。
※厚生年金加入中に亡くなった場合。加入期間が25年未満でも25年として計算される
※妻・夫の収入は含まない
※出典:日本年金機構、厚生労働省
子2人とも18歳未満
上の子が18歳超
2人とも18歳超
FWD満了
この谷を埋めるために、掛け捨てを1本だけ残した。
※遺族厚生年金への上乗せ加算は2028年から段階的に縮小が決まっている
※労組の団体保険は退職すると消える
しかもこれは非課税。14.5万円がまるごと手取りになる。「何も出ない」と思って生命保険に入っている人が、たぶん一番多い。
上の子が18歳になれば減り、下の子が18歳になれば遺族基礎年金は消える。残るのは遺族厚生年金だけ。
つまり公的保障には終わりがある。しかも子どもがいちばん金のかかる大学生の時期に、いちばん少なくなる。ここを埋めるかどうかが、民間の生命保険に入るかどうかの判断になる。
2番目:会社の保障
次に会社。ここは会社ごとに違うので、総務や社内制度を確認してほしい。
なんちゃって大手のうちの会社は、それなりに手厚い。俺が死んだら100万円近く振り込まれるらしい。加えて日々の生活費の補填として、労働組合の保険に入っている。月2,000円で保障額は月5〜7万円。
民間で同じ保障に入る前に、まずここを見る。
大事なのは下の2つ。会社で入る保険は、自分が加入者なのに中身を知らない人がかなり多い。給与天引きだと、払ってることすら忘れる。民間の生命保険を検討する前に、まずここを見よう。同じ保障に二重に入ることになりかねない。
ただ、会社の生命保険は解約しづらい。村八分にあったり、後ろ指を指されたりする可能性もある。実際、俺の職場では「加入率100%を目指してるから」と言われて断れなかった。会社と自分の金、このバランスを取るのが難しい。最悪、最安プランで加入し続けるのもありっちゃあり。
3番目:民間の生命保険
遺族年金と会社の保障で足りない部分。それを民間の生命保険で埋める。出し方は単純で、必要な生活費から1番目と2番目を引くだけ。うちの場合、足りない分は月10万円前後だった。
遺族年金+会社の保障+民間保険で、月30万円前後。十分暮らしていける額に、学費分も乗る。
逆に、順番を守らないとどうなるか。
必要な額がわからないまま窓口に行くことになる。そこで月10万円の保障を勧められても、それが多いのか少ないのか判断できない。比べる基準を持ってないから、出された数字がそのまま正解に見える。だから民間保険は最後なんだ。1番目と2番目を数え終わって、はじめて自分に必要な額が出る。
うちの生命保険は月4200円

夫婦2人で月4,200円。内訳はまずは俺の分。月1,200円。俺が死んだら、51歳になるまで毎月10万円が家族に入る。入ってるのはFWD生命の収入保障保険。安くね?
FWDは月10万を51歳まで
これを51歳まで続ける。下の子が大学を卒業する年だ。
その形に、保険の方を合わせてある。だから安い。
※総支払額は1,200円×12ヶ月×21年=302,400円
今死ねば2,520万円。50歳で死ねば120万円。子どもが育つほど、受け取れる総額は減っていく。
なんでこんな生命保険に入るのか。子どもが成人すれば要らないから。社会人になれば親の援助はいらない。親も自分たちが暮らせるだけ稼げばOK。自分が死んでも子どもが自立していけるなら、それでいい。保障が減っていくから安い。必要額が減っていく現実の形と、保険の形が一致している。
労組の保険は解約できなかった
職場で入ったのは、医療保険と生命保険の2本。医療保険は解約した。
でもこの生命保険は解約しなかった。というより、できなかった。「みんな入ってるから」で抜けさせてもらえない。月2,000円で、俺が死んだら月5〜7万円が家族に入る。金額だけ見れば安い。
妻も同じFWDに入っている。月1,000円で、妻が亡くなったときも子どもが成人するまで月10万円。共働きだから、どっちが欠けても家計は傾く。
※妻の職場で入っていた保険(ジブラルタ生命)も解約済み
生命保険は掛け捨てでいい

うちはこれで足りてる。全部掛け捨て、貯蓄型はゼロ。じゃあ貯蓄型は何がダメなのか。
貯蓄型は手数料を抜かれる
世間にはびこっている貯蓄型の生命保険はゴミ。「でも、少し増やして返してくれるんだよ」という声もあると思う。
そのお金、保険会社が投資して増やしてる。そこから手数料を抜いた残りが、こっちに返ってきてるだけ。自分で同じことをやれば、手数料は抜かれない。「貯金より少し増えた、やったー」と喜んでる横で、20年以上ずっと抜かれ続けてる。
しかも、いくら抜かれてるのかが分からない。保障の部分と貯蓄の部分が混ざってるから、何にいくら払ってるのか見えなくなる。生命保険と貯蓄は分ける。混ぜた瞬間に、中身が見えなくなる。
平均との差は21年で635万円
一般家庭が生命保険にかける金額は、平均で年間35.3万円。対して我が家は年間5万円。
生命保険文化センター
夫婦で月4,200円
同じ金の話をしてる。
※末子が保育園・幼稚園の世帯だと平均はさらに上がる
※21年は30歳からFWD満了の51歳まで
我が家の奨学金と同じ額。というか、超えている。掛け捨てにして浮いた分を積むだけで、夫婦2人分の奨学金600万円に到達する。
この635万円を自分の口座に積み上げるか、保険会社の駅前ビルにつぎ込むのか。それだけでだいぶ生活が変わる。みんな生活に余裕あるんやな。羨ましいわ。生命保険を平均どおりに払うか、その金で奨学金を潰すか。俺は後者を選んだ。
解約の引き止めは無視していい
我が家はジブラルタ生命を解約した。生命保険というより医療保険に近いやつ。妻の職場で入っていたもの。解約するとき、こう言われた。
「もうこの値段では入れませんよ」
「みなさん職場で入られてますよ」
で、こう返して解約した。
「夫の保険と同じ会社にするので」(大嘘)
こういうことを言ってくる人、たぶん多いと思う。でも冷静に考えて、論点がズレてる。俺は「今この生命保険が必要か」で判断している。なのに返ってくるのは「将来入るときに高くなりますよ」。意味わからんくね?
しかも子どもが育つほど必要額は下がるので、入り直す可能性そのものが下がっていく。この引き止めに数字が入っているなら、まだいい営業だと思う。ただそれをやるには、こっちの収入も支出も全部相手に伝える必要がある。数字が入ってないから、何も解決しない。
理由を言えば、それに対していろんなことを返してくる。「理由はないけど要らない」は、男女の付き合いの「なんとなく別れたい」と同じ。相手に打つ手がない。解約に、理由の説明義務はない。
生命保険を決める5ステップ

提案された額にうなずくことになる。
ほとんどの人は5番から入る。「生命保険どうしよう」と思って窓口に行く。1〜4を飛ばすから、必要保障額がわからないまま、提案された額にうなずくことになる。
特に飛ばされるのが4番。会社の保障を知らないまま、その分を民間の生命保険で二重に入っている人がかなりいるはず。そして1番の前に、もうひとつやることがある。今何本入っているか数えること。
何本入ってるか、月いくら払ってるか。それが分かるまで、解約するかどうかは考えなくていい。俺も数えるまで、労組の保険に入ってることを半分忘れてた。給与天引きは、そういうことが起きる。
生命保険を減らして返済する

生命保険を平均どおりに払えば、21年で635万円。その金を年5%で積み立てられたなら、1,081万円になる計算になる。
平均どおりに加入
掛け捨て+積立
そして返済中なら、まず繰上返済でいい。
※月25,217円。NISAのつみたて投資枠(年120万円)に収まる
※特定口座だと運用益446万円に約20%課税され、約91万円引かれる
駅前にビルを建てる保険会社にお金を注ぎ込むか、自分の口座に1,000万円を積むか。同じ金の話をしてる。ただし順番はある。返済中なら、まず繰上返済でいい。奨学金を潰してから投資に回した俺が言うんだから、間違いない。
生命保険を減らして浮いた金は、まず借金にぶつける。それが終わってから積み立てよう。


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